借地権とは、他人が所有する土地を借りて、その土地の上に自分の建物を持つことができる権利のことです。
実家が「親の土地に建てた家」ではなく、「地主から借りた土地に建てた家」であるケースは、特に古くからの住宅地では珍しくありません。この場合、相続するのは建物の所有権と、土地についての借地権の2つになります。土地そのものの所有権は地主のままであるため、実家の名義変更を行う際は、建物の相続登記に加えて、地主との関係整理(賃借人が変わった旨の通知等)が必要になります。
借地権付きの実家を売却する場合、通常の所有権付き不動産とは進め方が異なります。借地権を第三者に譲渡(売却)するには、原則として地主の承諾が必要で、承諾を得る際に「譲渡承諾料」という金銭を地主に支払うことが一般的です。承諾を得られない場合は、裁判所に借地非訟という手続きを申し立て、地主の承諾に代わる許可を得る方法もあります。地主との関係が良好でない場合や、連絡先が分からなくなっている場合は、早めに専門家(弁護士や借地権に詳しい不動産会社)に相談することをおすすめします。
借地権には、更新のできる「普通借地権」と、契約期間の満了で土地を返還する「定期借地権」があります。契約書が残っていれば、どちらのタイプか、残りの契約期間、地代の金額を確認してください。契約書が見つからない場合は、地主に直接確認する必要があります。借地権は権利関係が複雑になりやすいため、売却・活用を検討する際は、早い段階で借地権に詳しい不動産会社や弁護士に相談することが望ましいとされています。
借地権付きの実家を相続した場合、まず賃貸借契約書を確認し、地代の金額、更新料の有無、契約期間、増改築に関する制限などを把握することが最初のステップです。契約書が見つからない場合は、地主に直接連絡を取り、相続が発生した旨を伝えたうえで契約内容を確認する必要があります。地代の支払いが滞ると契約解除の原因になり得るため、相続後は速やかに地主への連絡と地代の支払い継続を行うことが重要です。