農地法

農地法とは、農地を農地として守り、無秩序な転用や不適切な権利移動を防ぐことを目的とした法律のことです。

実家の敷地とあわせて、田や畑を相続した場合に関係してきます。宅地と異なり、農地は自由に売買・転用できるわけではなく、農地法にもとづくさまざまな手続きが必要です。まず、農地を相続したこと自体は、農業委員会の許可なく行えますが、相続した事実を農業委員会に届け出る義務があります。この届出を怠ると、10万円以下の過料の対象になる場合があります。

農地を農地のまま(引き続き耕作する人に)売る・貸す場合は、農地法3条にもとづき農業委員会の許可が必要です。買い手・借り手は、農業に従事する見込みがあることなど、一定の要件を満たす必要があります。一方、農地を宅地や駐車場など農業以外の用途に転用する場合は、農地法4条・5条にもとづき、市街化区域内であれば農業委員会への届出、それ以外の区域であれば都道府県知事等の許可が必要です(農林水産省確認)。

相続人自身に耕作の予定がなく、近隣に引き継いでくれる担い手も見つからない場合、農地のままでの売却は難航しやすい傾向があります。この場合、都道府県の農地中間管理機構(農地バンク)に相談する方法や、転用が可能な区域であれば宅地としての活用を検討する方法、それでも手放せない場合は相続土地国庫帰属制度の利用を検討する方法があります。まずは実家がある市区町村の農業委員会に相談し、その農地の区分と可能な選択肢を確認することをおすすめします。

農地の相続でとくに注意したいのは、「農地のまま所有し続けているだけ」でも、耕作や適切な管理をしていないと、周辺の農地への病害虫の発生源になるなどの理由で、近隣の農家や自治体から改善を求められることがある点です。使う予定がない農地は、放置するのではなく、農地中間管理機構への貸付けや、転用が可能であれば宅地化、それも難しければ相続土地国庫帰属制度の利用を、早い段階で検討することが望ましいとされています。

関連項目:相続土地国庫帰属制度、山林