不在者財産管理人とは、従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みがない人(不在者)について、家庭裁判所が選任する、その人の財産を管理する人のことです。
実家の相続人の中に、長年連絡が取れず、所在も分からない人がいる場合に関係してくる制度です。裁判所の資料によれば、不在者本人や、その財産について利害関係を持つ人(他の相続人など)が、不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることで、財産管理人が選任されます。
不在者財産管理人が選任されると、その管理人が不在者に代わって財産の管理・保存を行います。ただし、遺産分割協議への参加や、不動産の売却といった重要な行為を行うには、家庭裁判所の別途の許可(権限外行為許可)が必要です。この許可を得ることで、実家の名義変更や売却を、行方不明の相続人を除外することなく、適法に進められるようになります。
不在者財産管理人の選任を申し立てる前に、まず戸籍の附票や住民票を取得して、その相続人の所在を調べることが最初のステップです。それでも所在が判明しない場合に、この制度の利用を検討します。生死が7年以上不明な場合は、失踪宣告という別の制度を検討することもできますが、多くの場合はまず不在者財産管理人の選任のほうが、比較的早く手続きを進められます。申立てには収入印紙や郵便切手のほか、管理人への報酬にあてる予納金を求められることがあります。詳しくは弁護士にご相談ください。
申立てにあたっては、収入印紙800円分と連絡用の郵便切手のほか、財産管理人への報酬にあてるための予納金を、家庭裁判所から求められることがあります。予納金の金額は、不在者が残している財産の内容や規模によって異なります。財産管理人には、弁護士や司法書士が選任されることもあれば、他の相続人が選任されることもあります。選任までにも一定の期間がかかるため、行方不明の相続人がいることが分かった時点で、早めに家庭裁判所または弁護士に相談し、手続きに着手することをおすすめします。