共有持分とは、複数の人が1つの不動産を共同で所有している場合に、それぞれの人が持っている権利の割合のことです。
実家を複数のきょうだいで相続し、遺産分割協議で単独名義に決めないまま相続登記をすると、法定相続分に応じた共有名義になります。たとえば子3人が均等に相続する場合、それぞれの共有持分は3分の1ずつです。この状態では、実家という1つの不動産を、3人がそれぞれ3分の1の権利で共同所有していることになります。
共有名義になると、不動産の扱いに制約が生じます。2023年の民法改正で整理されたルールによれば、修繕などの「保存行為」は共有者が単独でできますが、賃貸に出すなどの「管理行為」には持分の過半数の同意が必要で、売却などの「変更行為」には原則として共有者全員の同意が必要です(法務省確認)。つまり、実家を売りたくても、共有者の1人でも反対すれば、共有名義のままでは売却を進められません。
共有状態を解消する方法はいくつかあります。代表的なのは、他の共有者から持分を買い取って単独名義にする方法、逆に自分の持分を他の共有者に買い取ってもらう方法、そして自分の持分だけを第三者(共有持分専門の買取業者等)に売却する方法です。共有持分だけであれば、他の共有者の同意がなくても売却できます。ただし、見知らぬ第三者と共有する状態になるため、他の共有者にとっては望ましくない展開になることもあり、事前に話し合っておくことが望ましいとされています。
共有持分だけを専門業者に売却する前に、まずは他の共有者に「自分の持分を買い取る意思がないか」を打診してみることをおすすめします。共有者にとっても、見知らぬ第三者が新たに共有者として加わるより、身内で解決できたほうが望ましいことが多いためです。話し合いの糸口が見つからない場合や、他の共有者と長年疎遠になっている場合は、弁護士を介して交渉を進める方法もあります。共有関係が長引くほど、将来さらに相続が発生して権利者が増えるおそれがあるため、早めの解消が望ましいとされています。