実家を売る・残す・貸す・壊すの比較|4つの選択肢を条件で見極める

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  1. 4つの選択肢の比較
  2. それぞれの選択肢を詳しく見る
  3. 売る
  4. 残す
  5. 貸す
  6. 壊す
  7. 費用でさらに詳しく比較する
  8. 状況別に「対応できるか」を比較する
  9. 向いている地域・建物の状態
  10. 選択肢ごとのよくある失敗パターン
  11. 判断に迷ったときの3つの軸
  12. 選択肢は組み合わせられる
  13. 自分の場合はどうすべきか
  14. よくある質問
  15. まとめ・次にすること
  16. 関連記事

実家をどうするかを聞かれると、「売る」がいちばん分かりやすい答えに思えるかもしれません。ですが実際には、残す、貸す、壊すという選択肢も、条件によっては十分に現実的です。

ここでは4つの選択肢を、同じ基準で比較します。どれか一つを正解として押し付けるものではありません。

この記事の結論

どれか一つが正解ということはありません。使う予定の有無、建物の状態、費用を負担できる期間の3つで、向き不向きが変わります。

この記事で分かること

  • 4つの選択肢を、向く条件・費用・期間で比較した表
  • それぞれのメリットと注意点
  • 毎年の費用・税金・現金化しやすさの比較
  • 遠方・古家・荷物・共有名義・認知症の相続人など状況別に対応できるかの比較
  • 選択肢ごとのよくある失敗パターン
  • 判断に迷ったときに確認すべき3つの軸
  • 複数の選択肢を組み合わせる方法

4つの選択肢の比較

選択肢 向く条件 初期費用 期間の目安 続く負担
売る(仲介) 使う予定がなく、時間をかけてよい 仲介手数料等(売却価格の4〜6%程度) 3〜6か月 売却後はなし
売る(買取) 早く手放したい、現況のまま手放したい 仲介より低い価格になりやすい 数週間〜2か月 売却後はなし
残す 将来使う可能性がある、まだ結論を急がない ほぼなし ― 固定資産税・管理費が継続
貸す 需要のある地域、建物の状態がよい 修繕費が先に発生することがある 修繕・募集で3〜6か月 空室時は収入なし、管理の手間
壊す(解体して売る) 建物の傷みが激しく、更地のほうが売れやすい地域 解体費用 解体1〜2か月+売却3〜6か月 更地の固定資産税は住宅より高くなる場合がある

金額はいずれも目安であり、物件の状態、地域、依頼先によって変わります。

それぞれの選択肢を詳しく見る

売る

もっとも選ばれることが多い選択肢です。仲介(不動産会社が買主を探す)と、買取(不動産会社が直接買う)の2通りがあります。

  • 仲介:時間はかかるが、買取より高く売れる傾向がある
  • 買取:早く現金化できるが、価格は仲介より低くなりやすい

家財が残っている、建物が古い、権利関係が複雑といった事情がある場合は、買取のほうが現実的なことがあります。

売却するには、実家の名義が相続人に移っている(相続登記が済んでいる)必要があります。まだの場合は、売却の相談と並行して手続きを進めてください。

残す

「今は決められない」という状態も、立派な選択です。将来、自分や子どもが使う可能性がある、他の相続人との話し合いがまだ済んでいない、といった場合は、無理に急いで結論を出す必要はありません。

ただし、持ち続ける限り固定資産税や管理の負担は発生し続けます。「いつまで残すか」を漠然とではなく、期限を決めて考えることをおすすめします。

貸す

賃貸に出して収益化する方法です。需要のある地域で、建物の状態がよければ選択肢になります。

  • 入居者を募集する前に、修繕やリフォームが必要になることが多い
  • 空室のリスクがあり、収入が安定しない可能性がある
  • 賃貸経営の知識、または管理会社への委託が必要になる

老朽化が進んだ実家をそのまま貸すことは難しいため、修繕費と見込める家賃収入を比較して判断します。

壊す

建物の傷みが激しく、そのままでは売れない、または売りにくい場合の選択肢です。解体して更地にすることで、買い手の選択肢が広がることがあります。

  • 解体費用が先に発生する
  • 更地にすると、住宅用地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなり、税額が上がる場合がある
  • 地域によっては、古家付きのまま売るより更地のほうが売れやすいことも、逆のこともある

解体すべきかどうかは、地域の需要によって判断が分かれます。不動産会社に「解体したほうが売れやすいか」を確認してから決めることをおすすめします。

費用でさらに詳しく比較する

初期費用だけでなく、「持ち続けている間」「売った後」にかかる費用も含めて比較します。

選択肢 毎年の費用 税金 現金化しやすさ
売る(仲介・買取共通) 売却後はかからない 売却益が出れば譲渡所得税(所有期間5年超で約20.315%)。要件を満たせば空き家の3,000万円特別控除で軽減できる場合がある 高い(売却後にまとまった現金が入る)
残す 固定資産税・都市計画税、火災保険料、管理費用などで年間おおむね10万〜20万円程度 保有中は増えない(売るまでは譲渡所得税は発生しない) 低い(保有中は現金化されない)
貸す 残すとほぼ同じ費用に加え、管理会社委託料(家賃の5%程度が目安) 家賃収入は不動産所得として確定申告が必要 中(家賃収入は入るが、まとまった現金化には至らない)
壊す(解体して売る) 解体後は更地の固定資産税(住宅用地の軽減がなくなり上がる場合がある) 売却益が出れば譲渡所得税(解体費用は譲渡費用に算入できる場合がある) 高い(売却後にまとまった現金が入るが、解体費用が先に出ていく)

税金の扱いは個別の状況で変わるため、具体的な試算は税理士に確認してください。年間の維持費については実家を残す年間費用、税金については相続した家を売ったときの税金で詳しく解説しています。

状況別に「対応できるか」を比較する

遠方に住んでいる、荷物が残っている、共有名義になっているなど、よくある事情ごとに、4つの選択肢がどこまで対応できるかをまとめました。

状況 売る 残す 貸す 壊す
遠方でも進められるか ○(手続きの多くは郵送・オンライン・代理で対応可) ○(ただし現地確認・管理の頻度が課題になりやすい) △(管理会社への委託が前提になる) ○(業者に一任しやすい)
古家・旧耐震でも対応できるか ○(買取や現況渡しに対応する会社もある) ○(住まなければ大きな問題にはならない) △(リフォームが必要になることが多い) ○(傷みが激しい場合はむしろ有力な選択肢)
家財が残っていても進められるか ○(買取業者や現況渡しに対応する会社もある) ○(片付けを急ぐ必要はない) ×(入居前に片付け・リフォームが必要) △(解体業者に家財の搬出も依頼できるが別途費用)
共有名義でも進められるか △(共有者全員の同意が必要) ○(同意がなくても保有自体は続けられる) △(管理方針について共有者間の合意が必要) △(共有者全員の同意が必要)
相続人に認知症の方がいる場合 △(成年後見制度の利用が必要になる場合がある) ○(判断を急がずに済む) △(契約行為が発生するため同様の対応が必要) △(契約行為が発生するため同様の対応が必要)

○=対応しやすい △=条件や追加の手続きが必要になりやすい ×=そのままでは進めにくい、という目安です。詳しくは、遠方にあって通えない、古家・旧耐震で売れるか不安、家財が残ったまま、兄弟姉妹で共有しているで、それぞれの進め方を解説しています。

向いている地域・建物の状態

選択肢 向いている地域 向いている建物の状態
売る 売買の需要がある地域全般 現況のままでも、解体後の更地でも対応可
残す 将来また住む可能性がある地域 大規模な修繕をせずとも維持できる状態
貸す 賃貸需要のある地域(駅からの距離、周辺相場) 軽微なリフォームで入居可能な状態
壊す 更地のほうが売れやすい地域、駐車場・resale需要のある地域 老朽化が進み、現況のままでは買い手がつきにくい状態

地域による需要の違いは、実際に不動産会社へ査定・相談をして確認するのが確実です。

選択肢ごとのよくある失敗パターン

  • 売る:相続登記を済ませないまま話を進めてしまい、契約直前で手続きが必要になり時間がかかる
  • 残す:「とりあえず残す」と決めたまま期限を決めずに放置し、固定資産税・管理の負担だけが積み重なる
  • 貸す:修繕費を家賃収入で回収できる見込みを試算せずに賃貸を始め、空室が続いて赤字になる
  • 壊す:解体してから売れ行きを確認しておらず、更地にした後に買い手がつかず固定資産税だけが上がる

いずれも、事前に「いつまでに」「いくらまでなら」という目安を決めておくことで避けやすくなります。

判断に迷ったときの3つの軸

1. 使う予定はあるか 自分や家族が将来使う可能性が具体的にあるなら「残す」、まったくないなら「売る」または「壊して売る」が基本の方向性になります。

2. 建物の状態はどうか 大きな修繕をせずに住める状態なら「貸す」も選択肢に入ります。傷みが激しいなら「壊す」を検討します。

3. 費用を負担し続けられるか 固定資産税・管理費を何年も払い続けられるかを、具体的な金額で考えてください。

選択肢は組み合わせられる

4つは択一ではありません。たとえば次のような進め方もあります。

  • 数年は「残す」として様子を見て、状況が変わったら「売る」に切り替える
  • 「壊す」で更地にしたうえで、しばらく「貸す」(駐車場等)にしてから売る
  • 一部の相続人は「売る」、残りは持分を買い取って「残す」(共有の解消)

一度決めたら変更できない、というものでもありません。まずは現時点でもっとも負担の少ない選択をし、状況の変化に応じて見直すという考え方でも構いません。

自分の場合はどうすべきか

ここまでの比較を踏まえても、実際にどれを選べばよいかは、遠方かどうか、共有名義かどうか、家財が残っているかどうかなど、個別の状況によって変わります。

具体的に売却を検討している場合は、まず査定を取って現実的な金額を確認することも判断材料になります。

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よくある質問

Q. 迷っている間、実家はどうしておけばよいですか。 A. 最低限、定期的な換気・通水、庭木の手入れ、郵便物の確認は行ってください。放置すると老朽化が進み、選択肢が狭まります。空き家管理サービスを使う方法もあります。

Q. 兄弟の意見が「売る」と「残す」で分かれています。 A. 共有名義のまま意見が対立すると、どちらの選択も進められなくなります。兄弟姉妹で共有しているで、話し合いの進め方を説明しています。

Q. 売ると決めたら、次は何をすればよいですか。 A. 相続登記が済んでいるかを確認したうえで、不動産会社に相談し、査定を取ることから始めます。誰に相談するかもあわせてご確認ください。

まとめ・次にすること

  • 売る・残す・貸す・壊すに、一律の正解はありません
  • 「使う予定」「建物の状態」「費用を負担できる期間」の3つで向き不向きが変わります
  • 選択肢は組み合わせたり、後から見直したりできます

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この記事について

執筆
実家を相続したら見るサイト 編集部
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最終確認日
修正履歴
なし

※個別の判断は専門家にご確認ください。