実家の権利証が見つからない|登記識別情報がなくても名義変更・売却はできる

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  1. 権利証(登記済証)と登記識別情報の違い
  2. 相続登記の場面では、権利証がなくても進められる
  3. 売却の場面で自分の登記識別情報を紛失した場合
  4. 誰に相談するか
  5. よくある質問
  6. まとめ・次にすること
  7. 関連記事

実家の相続手続きを始めようと書類を探していたら、権利証(登記済証)がどこにも見当たらない——という状況に戸惑う方は少なくありません。「権利証がないと名義変更できないのでは」「このままでは売れないのでは」と不安になりますが、結論からいえば、相続による名義変更の段階では権利証がなくても手続きを進められます。

この記事の結論

実家の相続登記(名義変更)自体は、亡くなった方の権利証や登記識別情報が見つからなくても進められます。相続を原因とする所有権移転登記は、戸籍謄本一式や遺産分割協議書など相続関係を証明する書類で申請できるためです。一方、相続登記を終えたあとに売却する段階では、相続人自身に新たに発行された登記識別情報が必要になり、これを紛失・失念している場合は、法務局の事前通知制度、司法書士等による本人確認情報の提供、公証人による認証のいずれかの方法で代替できます。

この記事で分かること

  • 権利証(登記済証)と登記識別情報の違い
  • 相続登記の場面では、なぜ権利証がなくても手続きできるのか
  • 売却の場面で自分の登記識別情報を紛失した場合の3つの代替手段
  • 手続きにかかる費用と時間の目安

権利証(登記済証)と登記識別情報の違い

不動産の名義人であることを示す書類は、2005年(平成17年)の不動産登記法改正を境に、呼び方と形式が変わりました。

登記済証(権利証) 登記識別情報
使われた時期 2005年3月の制度改正より前に登記した不動産 2005年3月以降、オンライン化に対応した登記所で新たに登記した場合
形式 法務局の受付印が押された紙の証書 12桁の英数字の符号(通知書という紙に記載されて交付される)
効力 現在も有効 現在も有効

古い制度下で取得した不動産は今も「権利証(登記済証)」のままで、改めて登記識別情報に切り替える手続きは不要です。実家がしばらく名義変更されていない場合、見つかるのは権利証の形であることが多くなります。

相続登記の場面では、権利証がなくても進められる

権利証・登記識別情報がとくに重要になるのは、名義人本人が「自分の意思で」不動産を売る・担保に入れるといった登記を申請する場面です。法務局は、申請が本当に名義人本人の意思にもとづくものかを確認する手段として、権利証・登記識別情報の提出を求めます。

これに対して、相続による所有権移転登記(相続登記)は、亡くなった方の意思確認ではなく、「誰が相続人であるか」を戸籍謄本一式・遺産分割協議書・相続関係を証明するその他の書類によって確認する手続きです。そのため、亡くなった方の権利証・登記識別情報の提出は、原則として求められません。

「権利証が見つからないから相続登記ができない」と思い込んで手続きを止めてしまうケースがありますが、多くの場合は思い違いです。まずは戸籍謄本一式・固定資産評価証明書など、通常の相続登記に必要な書類をそろえることから始めてください。必要書類の全体像は、実家の相続に必要な書類一覧で確認できます。

売却の場面で自分の登記識別情報を紛失した場合

相続登記が完了すると、新しい名義人(相続人)宛てに登記識別情報が発行されます。この登記識別情報こそが、将来その実家を売却するときに「間違いなく名義人本人からの申請である」ことを証明する書類になります。

相続登記から時間が経ってこの登記識別情報を紛失・失念していた場合や、通知を希望せずに登記した場合は、売却時の登記申請で次のいずれかの方法を選ぶことになります。

1. 事前通知制度を利用する
法務局が、登記名義人の住所地あてに本人限定受取郵便で「登記申請があった」旨を通知します。名義人が2週間以内に「申請内容に間違いない」旨を法務局へ申し出ることで、本人確認が完了します。追加費用はかかりませんが、郵便のやり取りに日数がかかるため、決済(引き渡し)までの期間に余裕を持たせる必要があります。

2. 司法書士等の資格者代理人による本人確認情報を利用する
登記の申請を司法書士等に依頼している場合、その司法書士が運転免許証などで本人であることを確認し、「本人確認情報」という書類を作成して法務局に提出する方法です。事前通知より手続きが早く進みやすいため、実務では最もよく使われる方法です。別途、司法書士への報酬が加算されます。

3. 公証人による認証を利用する
公証役場で、申請書等に公証人の認証を受ける方法です。事前通知・本人確認情報のいずれかが使えない場合の選択肢になります。

登記識別情報の通知書そのものを紛失した場合、盗用・悪用を防ぐために「失効の申出」はできますが、番号を確認できないことを理由に再発行はされません。失効の申出をするかどうかも含め、まずは司法書士や法務局の窓口に相談してください。

誰に相談するか

内容 相談先
相続登記の必要書類・進め方 司法書士、法務局の登記相談窓口
登記識別情報を紛失した場合の売却手続き 司法書士(本人確認情報の作成を依頼する場合)
事前通知制度の詳しい流れ 不動産の所在地を管轄する法務局
売却全体の進め方 不動産会社

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よくある質問

Q. 権利証が見つからないと、相続登記の申請自体ができませんか。 A. いいえ。相続登記は戸籍謄本一式や遺産分割協議書などで相続関係を証明する手続きのため、亡くなった方の権利証・登記識別情報の提出は原則として求められません。

Q. 権利証を紛失したことを、法務局や警察に届け出る必要はありますか。 A. 権利証・登記識別情報自体に法律上の紛失届出義務はありません。ただし、登記識別情報の通知書を紛失した場合、悪用を防ぐために法務局へ失効の申出をしておくと安心です。

Q. これから相続登記をする場合、登記識別情報の通知を受け取らないこともできますか。 A. 可能です。ただし、将来売却する際は結局、事前通知や本人確認情報など今回紹介した代替手段が必要になるため、紛失リスクを考えて通知を受け取っておくかどうかは司法書士に相談して判断してください。

まとめ・次にすること

  • 実家の相続登記(名義変更)は、亡くなった方の権利証・登記識別情報がなくても、戸籍謄本一式などで手続きできます
  • 権利証・登記識別情報が重要になるのは、名義人本人が売却などを申請する場面です
  • 相続登記後に発行される自分の登記識別情報を紛失した場合は、事前通知制度・本人確認情報・公証人の認証のいずれかで代替できます
  • まずは相続登記に必要な書類をそろえることから始め、売却段階で困ったら司法書士に相談してください

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執筆
実家を相続したら見るサイト 編集部
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※個別の判断は専門家にご確認ください。