実家を賃貸に出すと確定申告が必要になる|不動産所得の申告と経費の考え方

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  1. 確定申告が必要かどうかの判断基準
  2. 不動産所得の計算方法
  3. 申告の流れ
  4. 赤字が出た場合の損益通算
  5. 誰に相談するか
  6. よくある質問
  7. まとめ・次にすること
  8. 関連記事

空き家のままにしておくより収益になるならと、実家を賃貸に出すことを検討している方の中には、「家賃収入があると確定申告が必要になるのでは」と気になっている方も多いのではないでしょうか。会社員として給与所得を得ている方の場合、家賃収入が一定額を超えると、毎年ご自身で確定申告をする必要があります。ここでは、申告が必要になる基準と、申告の際に経費として差し引けるものを整理します。

この記事の結論

給与所得者が実家を賃貸に出して得た家賃収入は「不動産所得」にあたり、給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。20万円以下なら所得税の申告は不要ですが、その場合も住民税の申告は別途必要です。申告する際は、固定資産税・火災保険料・管理費・修繕費・減価償却費などを必要経費として収入から差し引くことができ、赤字になった場合は給与所得と損益通算できることもあります。

この記事で分かること

  • 確定申告が必要になるかどうかの判断基準(20万円ルール)
  • 「20万円以下だから申告しなくてよい」と誤解しやすい住民税の扱い
  • 不動産所得の計算方法と、経費にできるもの・できないもの
  • 赤字が出た場合に使える損益通算の仕組み

確定申告が必要かどうかの判断基準

状況 所得税の確定申告
給与所得があり、家賃収入などの不動産所得が年間20万円を超える 必要
給与所得があり、不動産所得が年間20万円以下 原則不要(ただし住民税の申告は別途必要)
年金収入のみで、公的年金等以外の所得(不動産所得を含む)が20万円を超える 必要
もともと自営業などで確定申告をしている 不動産所得も合算して申告

ここでいう「不動産所得」は、家賃収入だけでなく、礼金・更新料・敷金のうち返還不要な部分なども含めた「収入」から、後述する必要経費を差し引いたあとの金額です。20万円という基準は「収入」ではなく「所得(利益)」に対する基準である点に注意してください。

「20万円以下だから何もしなくてよい」わけではありません。この基準はあくまで所得税の確定申告が不要になる基準で、住民税の申告は所得税の基準とは別に、原則として金額の大小にかかわらず必要です。所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村で住民税の申告手続きを別途行ってください。

不動産所得の計算方法

不動産所得は、次の式で計算します。

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

総収入金額には、家賃のほか、礼金・更新料・共益費(管理費として入居者から受け取る分)なども含みます。敷金・保証金のうち、退去時に返還する予定の部分は収入に含めません。

必要経費に含められるもの 含められないもの
固定資産税・都市計画税 相続登記の登録免許税・司法書士報酬(取得のための費用)
火災保険料・地震保険料 家事按分していない生活費
賃貸管理会社への委託料 所得税・住民税そのもの
修繕費(原状回復・部分的な補修など) 資本的支出(増築・大規模改修など、資産価値を高める支出)
建物の減価償却費 賃貸に出していない期間の費用
賃貸募集にかかる広告費
ローンの利息(賃貸目的の借入がある場合)

修繕費のうち、資産価値を高めたり耐用年数を延ばしたりするような大規模な工事(資本的支出)は、一括で経費にできず、減価償却によって複数年に分けて費用計上することになります。どちらに該当するかの判断は個別の工事内容によるため、迷う場合は税理士に確認してください。

申告の流れ

1. 1年間(1月〜12月)の収入と経費を記録する
家賃の入金記録、固定資産税の納付書、修繕の領収書などを保管しておきます。

2. 白色申告か青色申告かを選ぶ
青色申告には事前の届出(開業届・青色申告承認申請書の提出)が必要ですが、要件を満たせば一定額の所得控除(青色申告特別控除)を受けられるなどのメリットがあります。どちらを選ぶかは、記帳の手間と受けられる控除額を踏まえて判断します。

3. 確定申告書を作成する
不動産所得用の収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書を作成し、確定申告書に添付します。

4. 申告期限までに税務署へ提出する
所得税の確定申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです(曜日により前後することがあります)。e-Tax、郵送、税務署窓口のいずれかで提出します。

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赤字が出た場合の損益通算

リフォーム費用や減価償却費がかさみ、不動産所得が赤字になることもあります。この場合、確定申告をすることで、不動産所得の赤字を給与所得など他の所得と相殺する「損益通算」ができ、結果として所得税・住民税の負担が軽くなることがあります。

損益通算をするには確定申告が必要です。「不動産所得が20万円以下だから申告しなくてよい」という基準は黒字を前提にした話であり、赤字で還付を受けたい場合は、金額にかかわらず申告する必要があります。また、土地の取得にかかった借入金の利子は、赤字であっても損益通算の対象から除かれるなどの例外もあるため、詳細は税理士に確認してください。

誰に相談するか

内容 相談先
確定申告の要否・経費の範囲・青色申告の要件 税理士、税務署
住民税の申告手続き お住まいの市区町村(住民税担当窓口)
賃貸需要の見込み・リフォーム範囲 不動産会社、賃貸管理会社

よくある質問

Q. 家賃収入が月5万円程度でも申告は必要ですか。 A. 年間の不動産所得(収入から必要経費を差し引いた金額)が20万円を超えるかどうかで判断します。月5万円(年60万円)の収入でも、経費を差し引いた所得が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。

Q. 管理会社に全部委託していても、確定申告は自分でする必要がありますか。 A. はい。管理会社は家賃の管理・入居者対応を代行しますが、確定申告は所有者本人(または依頼した税理士)が行う必要があります。

Q. 相続した実家を賃貸に出す場合、いつから不動産所得として計算しますか。 A. 実際に賃貸を開始し、家賃収入が発生した時点からです。空き家のまま保有していた期間の固定資産税などは、賃貸を開始する前の費用として、不動産所得の必要経費には含められません。

まとめ・次にすること

  • 給与所得者は、不動産所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります
  • 20万円以下でも住民税の申告は別途必要です
  • 固定資産税・保険料・管理費・修繕費・減価償却費などを必要経費として差し引けます
  • 赤字になった場合は、確定申告をすることで給与所得と損益通算できることがあります
  • 経費の範囲や資本的支出との区別に迷う場合は、賃貸を始める前に税理士へ相談しておくと安心です

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執筆
実家を相続したら見るサイト 編集部
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※個別の判断は専門家にご確認ください。