このページについて 以下は、複数のよくある相談内容をもとに編集部が再構成した架空の設例です。実際にあった相談事例ではありません。登場する人物・地名は仮のものであり、負担金・期間は制度の一般的な算定方法をもとにした目安であり、実際の審査結果によって異なります。
このモデルケースの結論
使う予定のない山林(約8,000平方メートル)について、相続土地国庫帰属制度に申請し、承認までに事前相談から約10か月、負担金は面積に応じた算定で約30万円だったモデルケースです。境界が比較的明確で、崖地や有害物質などの不承認事由に当たらなかったことが、承認につながりました。
経過(時系列)
相続登記を済ませ、法務局に事前相談(1〜2か月目)
実家の宅地を含む相続登記を終えたあと、使い道のない山林について、法務局の相続土地国庫帰属制度の相談窓口に事前相談を申し込んだ。予約制で、登記事項証明書や現地の写真を持参して要件を確認してもらった。
却下事由・不承認事由に当たらないか確認(2〜3か月目)
担当者から、崖地でないこと、産業廃棄物や放置車両などがないこと、隣接地との争いがないことなど、いくつかの確認事項を伝えられた。現地を訪れ、写真と簡単な見取り図を用意した。
申請書類をそろえて申請(3〜4か月目)
申請書、土地の位置・範囲を示す図面、境界を示す写真、印鑑証明書などをそろえて法務局へ申請した。審査手数料は土地1筆あたり14,000円だった。
書面審査・実地調査(4〜9か月目)
法務局の担当者による書面審査に加え、現地の実地調査が行われた。標準的な処理期間は8か月とされているが、実地調査の日程調整もあり、実際には申請から約9か月かかった。
承認・負担金の通知と納付(9〜10か月目)
承認の通知とあわせて、負担金の額が示された。面積に応じた算定方法により、負担金は約30万円だった。通知から30日以内に納付し、土地の所有権が国庫に帰属した。
このモデルケースのポイント
- 審査手数料は土地1筆あたり14,000円(却下・不承認になっても返還されない)
- 標準処理期間は8か月とされるが、実地調査の日程等により延びることがある
- 山林(森林)の負担金は面積に応じて算定され、20万円以上になることが多い
- 境界が明確で、崖地・有害物質・争いなどの不承認事由に当たらないことが承認の前提になる
制度が使える条件・却下事由・不承認事由の詳細は、相続土地国庫帰属制度を使える条件で解説しています。申請前に揃える資料は相続土地国庫帰属制度の必要書類チェックリストで確認できます。
費用の目安(このケースの場合)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 審査手数料 | 14,000円(土地1筆) |
| 負担金(山林・約8,000平方メートル) | 約30万円(面積に応じた算定) |
| 現地確認の交通費 | 数万円程度(居住地からの距離により変動) |
| 申請書類作成を専門家に依頼した場合 | 別途、司法書士・行政書士等への報酬が発生 |
負担金は土地の種目(宅地・農地・森林等)と面積によって算定方法が異なります。正確な金額は事前相談・審査の中で個別に示されるため、目安として参考にしてください。
承認されなかった場合・他の選択肢
このケースでは承認されましたが、崖地や争訟中の権利関係がある土地など、不承認事由に該当すると判断される場合もあります。承認が難しい場合は、森林組合への相談や、山林専門の買取業者への相談も選択肢になります。詳しくは相続した山林を手放す方法をご覧ください。
まとめ・次にすること
- 相続土地国庫帰属制度の審査手数料は土地1筆あたり14,000円で、結果にかかわらず返還されない
- 標準処理期間は8か月だが、実地調査の状況によって延びることがある
- 山林の負担金は面積に応じて算定され、20万円以上になることが多い
- 申請前に法務局の事前相談で、却下事由・不承認事由に当たらないかを確認しておくと見通しが立てやすい