このページについて 以下は、複数のよくある相談内容をもとに編集部が再構成した架空の設例です。実際にあった相談事例ではありません。登場する人物・地名は仮のものであり、金額・期間は状況によって大きく異なります。
このモデルケースの結論
遠方に住んでいて自主管理が難しく、すぐに売却も決めきれなかったため、実家をサブリース会社に一括借り上げしてもらい賃貸に出したモデルケースです。家賃保証がある一方、受け取れる金額は相場家賃の8〜9割程度になる点を理解したうえで選択しました。
経過(時系列)
選択肢の比較(1か月目)
妹と話し合い、「売却」「保有し続ける」「賃貸に出す」の3つを比較した。売却は今すぐ決められず、かといって空き家のまま保有し続けると固定資産税と管理の手間だけがかかる。収益が見込めるなら賃貸にしたいという結論になり、まず相続した実家を貸す方法を参考に検討を始めた。
管理方式の比較検討(2か月目)
賃貸に出す方法として、自分たちで入居者を募集し管理会社に管理だけを委託する「管理委託方式」と、サブリース会社が物件ごと借り上げて転貸する「サブリース(一括借り上げ)方式」を比較した。県外在住で急な対応が難しいこと、空室が続いた場合の収入減が不安だったことから、家賃保証のあるサブリース方式を選んだ。
リフォーム内容の決定(3か月目)
サブリース会社の担当者と現地で確認し、水回り(キッチン・浴室)の交換と内装のクロス張り替えを行うことにした。リフォーム費用はサブリース会社の紹介業者に依頼し、概算150万円の見積もりを受けた。
サブリース契約の締結(4か月目)
契約内容として、保証賃料は近隣相場(月8.5万円)の85%にあたる月7.2万円、免責期間(入居者募集にかかる期間で保証が発生しない期間)は契約開始から60日間、契約期間は2年(自動更新)とする条件で合意した。
入居者の募集・入居開始(5〜6か月目)
免責期間中にサブリース会社が入居者を募集し、5か月目の終わりに入居者が決まった。6か月目から保証賃料の支払いが開始された。
このモデルケースのポイント
- 家賃保証があることで、空室が発生しても収入が途切れない安心感が得られた
- 保証賃料は相場より2割前後低くなるため、自主管理した場合との収益差を事前に比較しておく必要がある
- 免責期間中は家賃保証が発生しないため、契約開始のタイミングと収支計画を確認しておく
- リフォーム費用は自己負担となるため、賃貸に出すことで得られる収益と比較して判断する
サブリースは万能ではなく、契約期間中に保証賃料の減額を求められることがある点や、中途解約の条件が会社によって異なる点にも注意が必要です。契約前に複数社を比較し、条件を書面で確認することをおすすめします。
費用・収支の目安(このケースの場合)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| リフォーム費用(水回り・内装) | 約150万円(自己負担) |
| 近隣相場の家賃 | 月8.5万円 |
| サブリースの保証賃料(相場の約85%) | 月7.2万円 |
| 免責期間 | 契約開始から60日間 |
| 固定資産税・火災保険(年間) | 約12万円 |
保証賃料からリフォーム費用の回収にかかる期間、固定資産税や保険料などの維持費を差し引いた実質的な手取りを試算し、保有し続ける場合の負担と比較したうえで判断しました。維持費の目安は空き家の年間維持費はいくら?で解説しています。
もし将来、賃貸をやめて売却する場合
このケースでは当面は賃貸を続ける予定ですが、将来的に売却する可能性も残しています。賃貸中の物件を売却する場合、入居者との賃貸借契約を新しい所有者が引き継ぐ「オーナーチェンジ」という形になることが一般的です。賃貸か売却かで迷う場合は、実家を売る・残す・貸す・壊すの比較もあわせてご覧ください。
まとめ・次にすること
- 自主管理が難しい場合、サブリース(一括借り上げ)で家賃保証を受けながら賃貸に出す方法がある
- 保証賃料は相場家賃の8〜9割程度になることが一般的で、自主管理との収益差を比較する必要がある
- リフォーム費用は自己負担となるため、収支計画を立ててから契約する
- 免責期間や中途解約の条件は会社によって異なるため、複数社を比較して契約内容を確認する
同じように賃貸を検討している方は、相続した実家を貸す方法もあわせてご覧ください。