相続した実家が高圧線・鉄塔の近くにあった|地役権の確認と売却への影響

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  1. 高圧線・鉄塔の近くにある土地で問題になる「地役権」
  2. 地役権の有無・内容を確認する方法
  3. 建築・売却への影響
  4. 売却の進め方
  5. 誰に相談するか
  6. よくある質問
  7. まとめ・次にすること
  8. 関連記事

実家の敷地の上を高圧線が通っている、あるいは庭先から鉄塔が見える。そんな実家を相続して初めて、「これは売却にどう影響するのだろう」と気になった方もいるのではないでしょうか。高圧線・鉄塔が近くにある土地には、電力会社との間で結ばれた権利関係が隠れていることがあります。まずは何が設定されているかを確認するところから始めましょう。

この記事の結論

高圧線が敷地の上空を通過している、または鉄塔が近い実家では、電力会社との間で「地役権」が設定され、建築や工作物の設置に制限がかかっていることがあります。登記事項証明書や電力会社との契約書で地役権の有無・内容を確認したうえで、制限の範囲を買主に開示して売却を進める必要があります。

この記事で分かること

  • 高圧線・鉄塔の近くにある土地で確認すべき「地役権」とは何か
  • 地役権の有無・内容の確認方法
  • 建築・売却への影響
  • 売却の進め方と相談先

高圧線・鉄塔の近くにある土地で問題になる「地役権」

自分の土地の上空を電力会社の高圧線が通過している場合、電力会社は土地の所有者との間で「地役権設定契約」を結び、その内容を登記することが一般的です。地役権とは、他人の土地(承役地)を自分の土地・設備の便益のために利用できる権利で、民法に定められています。

項目 内容
権利の名称 送電線路敷設のための地役権(電力会社が「要役地」側、実家の土地が「承役地」側になる)
設定される制限 一定の高さを超える建物・工作物の建築禁止、樹木の植栽制限、掘削の制限など
補償 地役権設定の際、電力会社から土地所有者へ一時金(補償料)が支払われていることが多い
登記 登記すると、土地の所有者が変わっても地役権の内容を新しい所有者に主張できる(対抗力を持つ)

親の代でこの契約を結んでいた場合、当時の書類が実家に残っていないことも珍しくありません。まずは登記事項証明書で「乙区」(所有権以外の権利が記載される部分)を確認し、地役権の記載があるかどうかを見てください。

地役権の有無・内容を確認する方法

1. 登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する
法務局で取得し、「乙区」欄に地役権の設定登記があるかを確認します。地役権者(電力会社名)、目的、範囲が記載されています。

2. 電力会社との契約書・地役権図面を探す
実家に契約書一式が残っている場合、地役権図面(承役地のうちどの範囲に制限がかかるかを示した図面)で具体的な制限範囲を確認できます。見つからない場合は電力会社に照会できます。

3. 電力会社の窓口に問い合わせる
契約内容が不明な場合、送電線を管理する電力会社(送配電部門)に、土地の所在地を伝えて契約の有無を確認できます。相続による所有者変更の届出もあわせて必要です。

登記されていない地役権もあります。契約自体は結ばれているのに登記だけが未了というケースもあるため、「登記簿に記載がない=制限がまったくない」とは限りません。契約書が見当たらない場合は、必ず電力会社に確認してください。

建築・売却への影響

影響の内容 具体例
建築制限 地役権の範囲内では、一定の高さを超える建物の新築・増築ができないことが多い
樹木・工作物の制限 高木の植栽、アンテナなど高さのある工作物の設置が制限される
資産価値への影響 建築の自由度が下がるため、制限がない土地より査定が下がりやすい傾向がある
相続人への引き継ぎ 地役権は土地に付随する権利のため、相続人がそのまま引き継ぐ(契約の結び直しは不要)

電気設備に関する技術基準を定める省令(経済産業省令)では、高圧・特別高圧の電線と建造物との間に一定の離隔距離(電圧に応じて数十cm〜数m)を確保することが定められています。地役権による制限は、この技術基準を満たすために設定されているものです。

鉄塔そのものが敷地内に立っている場合は、鉄塔の敷地部分について電力会社と賃貸借契約・地上権設定契約が結ばれ、地代を受け取っている土地もあります。この場合は、地役権とは別の権利関係になるため、契約の種類も含めて確認が必要です。

売却の進め方

制限があるからといって、売却できないわけではありません。制限の内容を正しく開示し、その条件でも購入したいという買主を見つけることが基本です。

選択肢 内容
現況のまま仲介で売却 地役権の内容を重要事項説明で開示したうえで、通常の仲介で売却する方法
買取業者への売却 権利関係が複雑な土地の取り扱いに慣れた買取業者であれば、短期間で現金化できる
制限範囲を除いた活用 建築制限のかからない部分だけを駐車場など別の用途で活用する方法

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売買契約・重要事項説明の場面では、地役権の存在を告げずに進めると、後から契約不適合責任を問われるおそれがあります。制限の内容を把握したら、不動産会社にも早めに共有しておくことが、トラブルを避ける鍵になります。

誰に相談するか

内容 相談先
地役権の登記内容の確認 法務局(登記事項証明書の取得)
契約内容の照会・相続に伴う届出 送電線を管理する電力会社(送配電部門)
売却・査定の相談 権利関係が複雑な物件を扱った実績がある不動産会社
権利関係の法的な整理 司法書士、弁護士

よくある質問

Q. 地役権が設定された土地は、住宅ローンの担保として使えますか。 A. 制限の内容によって金融機関の判断が分かれます。既存の建物をそのまま使う分には問題にならないことが多いですが、建て替えを前提とする場合は事前に金融機関へ確認してください。

Q. 地役権を解消してもらうことはできますか。 A. 送電設備が実際に稼働している限り、電力会社側の都合で解消されることは基本的にありません。所有者側からの解消の申し出に応じてもらえるケースは限られます。

Q. 鉄塔の敷地になっている部分から地代を受け取っている場合、相続税評価はどうなりますか。 A. 地役権や地上権の設定範囲は、通常の土地より相続税評価額が減額されることがあります。個別の評価は税理士に確認してください。

まとめ・次にすること

  • 高圧線が上空を通る土地には、電力会社との間で地役権が設定されていることがあります
  • 登記事項証明書の「乙区」欄、または電力会社への照会で内容を確認できます
  • 建築や工作物の設置に制限がかかりますが、開示したうえで売却すること自体は可能です
  • 権利関係が複雑な場合は、扱いに慣れた不動産会社や司法書士に早めに相談してください

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執筆
実家を相続したら見るサイト 編集部
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最終確認日
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※個別の判断は専門家にご確認ください。