実家を兄弟で分けたときにかかる税金|代償分割と換価分割で課税が変わる場面

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  1. 代償分割と換価分割の違い(おさらい)
  2. 代償分割にかかる税金
  3. 現金で代償金を払う場合
  4. 現物(不動産・株式など)で代償金を払う場合
  5. 換価分割にかかる税金
  6. どちらを選ぶか、判断のポイント
  7. 注意点
  8. 誰に相談するか
  9. よくある質問
  10. まとめ・次にすること
  11. 関連記事

兄弟姉妹で実家を相続すると、「誰か1人が家を取得してお金で調整するか」「売却して現金で分けるか」の2択で迷う場面が出てきます。どちらも共有名義を避けるための現実的な方法ですが、実は税金のかかり方が異なります。ここでは代償分割と換価分割それぞれの課税関係を整理します。

この記事の結論

実家を代償分割(1人が家を取得し、他の相続人へ現金で代償金を支払う方法)にした場合、代償金のやり取りに贈与税はかかりませんが、代金の一部を不動産や株式などの現物で渡すと、渡した側にその時点で譲渡所得税がかかることがあります。換価分割(売却して代金を分ける方法)は、便宜上1人の名義で相続登記をしても、遺産分割協議どおりに実際に分配すれば贈与税はかかりませんが、売却によって生じた譲渡所得税は、相続人それぞれが取得した割合に応じて申告・納税する必要があります。

この記事で分かること

  • 代償分割と換価分割、それぞれの税金のかかり方の違い
  • 代償金を現金で払う場合と現物で払う場合の違い
  • 換価分割で「1人名義で登記して売却」しても贈与税がかからない条件
  • どちらを選ぶか迷ったときの判断ポイント

代償分割と換価分割の違い(おさらい)

方法 内容 税金がかかる場面
代償分割 1人が実家を取得し、他の相続人へ代償金(現金など)を支払う 相続税(全員)/代償金を現物で払った場合は譲渡所得税(支払った側)
換価分割 実家を売却し、代金を相続人で分ける 相続税(全員)/売却による譲渡所得税(売却益が出た場合、取得割合に応じて各自)

どちらも相続税の課税対象になる点は共通ですが、代償分割は「不動産を渡すこと」、換価分割は「不動産を売ること」がそれぞれ別の課税のきっかけになり得ます。共有名義の解消方法そのものについては、実家の共有名義を解消する方法で詳しく解説しています。

代償分割にかかる税金

現金で代償金を払う場合

もっとも一般的な形です。実家を取得した人が、自分の預貯金などから他の相続人へ代償金を支払います。この場合、代償金は「遺産分割の結果としての金銭のやり取り」とみなされ、贈与税はかかりません。相続税の計算では、実家を取得した人は「実家の評価額から支払った代償金を差し引いた額」を、代償金を受け取った人は「受け取った代償金の額」を、それぞれ相続税の課税価格に加えて計算します。

ポイント 代償分割であることは、遺産分割協議書に「代償金として金〇〇円を支払う」と明記しておくことが重要です。記載がないと、後から税務署に単なる贈与や別の取引と誤認されるおそれがあります。

現物(不動産・株式など)で代償金を払う場合

現金の代わりに、自分が持っている別の不動産や株式などを代償財産として渡すこともできます。この場合、渡した人はその財産を「時価で譲渡した」ことになり、譲渡所得税が課税される可能性があります。逆に受け取った人は、その時価で取得したものとして扱われます。手元に代償金にあてる現金がない場合の選択肢ではありますが、想定していなかった譲渡所得税が発生する点に注意が必要です。

換価分割にかかる税金

換価分割では、実務上、いったん相続人の1人(または一部)の名義で相続登記をしてから実家を売却し、その後で代金を分配する進め方がよく取られます。この「便宜上の単独名義」について、贈与税がかかるのではと心配する方もいますが、遺産分割協議の内容に従って実際に代金が分配されるのであれば、贈与税の課税対象にはなりません。

一方、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合の譲渡所得税は別の話です。実際に代金を受け取った相続人が、それぞれの取得割合に応じて譲渡所得を計算し、確定申告する必要があります。「登記上の名義人だけが申告すればよい」わけではない点に注意してください。

確認事項 内容
単独名義での登記・売却 遺産分割協議どおりに分配すれば贈与税はかからない
譲渡所得税の申告義務者 実際に代金を受け取った相続人それぞれ(取得割合に応じて按分)
相続税との関係 相続税は相続開始時点の評価額、譲渡所得税は売却時点の売却益に対して別途課税される

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どちらを選ぶか、判断のポイント

1. 誰かが実家に住み続けたいかを確認する
住み続けたい相続人がいれば代償分割、全員が現金化を望むなら換価分割が候補になります。

2. 代償金を用意できるかを確認する
代償分割は、家を取得する人にまとまった現金が必要です。用意できない場合は、無理に現物で代償しようとせず、換価分割への切り替えも検討してください。

3. 売却にかかる時間を織り込む
換価分割は、実家が売れるまで代金を分配できません。売却までの期間や、相続税の申告期限(10か月)との兼ね合いも確認しておく必要があります。

4. 税額の試算を専門家に依頼する
どちらの方法でも、相続税評価額や譲渡所得の計算次第で有利・不利が変わります。実際の金額を試算したうえで決めることをおすすめします。

注意点

  • 代償分割・換価分割のいずれも、遺産分割協議書に方法と金額を明記しておかないと、後から贈与とみなされるリスクがあります
  • 現物での代償は、渡す側に想定外の譲渡所得税が発生することがあるため、安易に選ばず事前に税額を試算してください
  • 換価分割で売却益が出た場合、確定申告が必要になるのは名義人だけでなく、実際に代金を受け取った相続人全員です
  • 相続税評価額と実際の売却価格は一致しないことが多く、代償分割の代金の決め方(評価額ベースか、査定額ベースか)でも相続人間の公平感が変わります

誰に相談するか

内容 相談先
遺産分割協議書の作成、代償分割・換価分割の選び方 司法書士、弁護士
相続税・譲渡所得税の試算、確定申告 税理士
実家の査定・売却(換価分割の場合) 不動産会社

よくある質問

Q. 代償分割で、代償金を分割払いにすることはできますか。 A. 分割払い自体は可能ですが、遺産分割協議書に支払時期・金額を明記し、実際に約束どおり支払うことが前提です。支払いが滞ると、他の相続人との間でトラブルになりやすいため注意してください。

Q. 換価分割で、売却前に相続登記を1人名義にするのは義務ですか。 A. 義務ではありませんが、買主との契約や決済の手続きをスムーズに進めるために、実務上は代表者1人(または相続人全員の共有)の名義で登記してから売却するケースが多く見られます。

Q. 代償分割と換価分割を組み合わせることはできますか。 A. 可能です。たとえば実家は1人が取得して代償分割にし、別の預貯金は換価せずそのまま分けるなど、財産ごとに方法を使い分けることもよくあります。

まとめ・次にすること

  • 代償分割は、代償金を現金で払えば贈与税はかからないが、現物で払うと譲渡所得税が発生することがある
  • 換価分割は、便宜上の単独名義登記自体には贈与税がかからないが、売却益が出れば取得割合に応じて各相続人が譲渡所得税を申告する
  • どちらを選ぶかは、住み続けたい人の有無、代償金を用意できるか、売却までの期間で判断する
  • 実際の税額は個別の事情で変わるため、試算は税理士に依頼することをおすすめします

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この記事について

執筆
実家を相続したら見るサイト 編集部
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※個別の判断は専門家にご確認ください。