実家の中には、家具、食器、衣類、写真、そして親が長年大切にしていたものまで、あらゆるものが残っています。「片付けなければ」と分かっていても、量が多すぎて何から手をつければよいか分からない、という方は少なくありません。
ここでは、実家の片付けを進める順番と、それぞれの段階で確認すべきこと、費用の目安を整理します。
この記事の結論
まず重要書類・貴重品を確認してから、仕分け(残す・処分する・供養する)を行い、最後に不用品を搬出します。自分たちで片付けるか、遺品整理業者に依頼するかは、荷物の量と時間的な余裕で判断してください。
この記事で分かること
- 実家の片付けを進める5つのステップ
- 片付ける前に必ず確認しておきたいもの
- 自分で片付ける場合と業者に依頼する場合の違い
- 仏壇・お墓など、通常の片付けとは別に考えるべきもの
- 片付けと売却、どちらを先に進めるべきか
実家の片付けを進める5つのステップ
1. 重要書類・貴重品を確認する
登記識別情報通知(権利証)、実家の売買契約書、預金通帳、印鑑、保険証券、遺言書など、あとから取り返しがつかないものがないかを最初に確認します。片付けを急ぐあまり、価値の分かりにくいものをまとめて処分してしまうトラブルが起きやすい段階です。
2. 全体の量を把握する
部屋ごとに、荷物の量とおおよその状態を確認します。遠方に住んでいて頻繁に通えない場合は、この段階で写真を撮っておくと、業者に依頼する際の見積もり精度が上がります。
3. 仕分ける(残す・処分する・供養する)
家族で残したいもの、処分してよいもの、仏壇・位牌など供養が必要なものに仕分けます。相続人が複数いる場合、形見分けをどう進めるかを先に話し合っておくとトラブルを避けやすくなります。
4. 不用品を搬出する
仕分けが終わったら、不用品をまとめて搬出します。量が多い場合や大型家具・家電がある場合は、自治体の粗大ゴミ回収では対応しきれず、業者への依頼が現実的になります。
5. 清掃して完了を確認する
搬出後、簡単な清掃を行います。売却を予定している場合は、この状態で不動産会社に内覧してもらうと、必要な作業がどこまで終わっているかを確認しやすくなります。
自分で片付ける場合と業者に依頼する場合
| 項目 | 自分で片付ける | 遺品整理業者に依頼する |
|---|---|---|
| 費用 | 処分費用のみ(自治体のゴミ処分費等) | 間取り別で3万〜60万円程度が目安 |
| かかる時間 | 荷物量・頻度により数か月〜半年以上 | 1R・1Kなら半日、戸建て全体でも1〜2日程度 |
| 向いている場合 | 荷物が少ない、現地に頻繁に通える | 荷物が多い、遠方で通えない、体力的な負担を避けたい |
| 貴重品の扱い | 自分の目で全て確認できる | 立ち会えない場合、事前の指示が重要になる |
荷物量が多い戸建てを、遠方から自分たちだけで片付けようとすると、結果的に何度も現地へ通うことになり、時間・交通費の負担が業者依頼より大きくなることもあります。詳しい費用の内訳は実家の遺品整理費用の相場で解説しています。
遺品整理110番で複数の優良業者に無料で一括見積もりを依頼する(広告)仏壇・お墓は通常の片付けと分けて考える
仏壇・位牌・お墓(祭祀財産)は、法律上は通常の相続財産とは別に扱われ、祭祀を引き継ぐ方が承継するとされています。処分の前に閉眼供養(魂抜き)を行う宗派も多く、通常の家財と同じ感覚で片付けを進めると、あとから親族間のトラブルにつながりやすい分野です。
仏壇の整理・墓じまいの具体的な流れは、実家の仏壇・お墓の整理で詳しく解説しています。
片付けと売却、どちらを先に進めるべきか
「片付けてから売る」のが基本ですが、必ずしもその順番でなければならないわけではありません。
- 買取業者や、現況渡し(家財を残したまま引き渡す契約)に対応する不動産会社もあります
- 片付けが不要と分かれば、時間も費用も使わずに済みます
- 逆に片付けが必要と分かった場合は、そこから見積もりを取っても間に合います
先に不動産会社に「この状態のまま売れるか」を確認しておくと、無駄な片付け作業を避けられることがあります。詳しくは家財が残ったままでも売却できる?をご覧ください。
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遠方で片付けに通えない場合
現地に何度も通えない場合、1回の訪問でまとめて確認できるようにチェックシートを準備しておくと、確認漏れを防げます。実家の現地確認チェックシートを使うと、建物の状態・重要書類・貴重品の所在を効率よく確認できます。
誰に相談するか
| 内容 | 相談先 |
|---|---|
| 片付け・遺品整理の見積もり | 遺品整理業者(複数社) |
| 仏壇・位牌の供養 | 菩提寺、仏具店、供養対応の遺品整理業者 |
| 片付けずに売却できるかの相談 | 不動産会社 |
| 重要書類が見つからない場合 | 司法書士、税理士 |
よくある質問
Q. 片付けは相続登記の前でも進めてよいですか。 A. 片付け自体は登記前でも進められます。ただし、権利証や通帳など、登記や相続手続きに必要な書類を誤って処分しないよう、片付けの前に重要書類の確認を済ませておくことをおすすめします。
Q. 兄弟で形見分けをする場合、何を基準に分ければよいですか。 A. 金銭的な価値だけでなく、思い入れのあるものから希望を出し合う進め方が一般的です。判断に迷う場合は、いったん写真に撮って保留にする方法もあります。
Q. 片付け業者に依頼すると、買取もしてもらえますか。 A. 貴金属・骨董品・家電などを業者が買い取り、その分を作業費用から差し引く「買取相殺」に対応する業者もあります。査定額の根拠が分かる明細を出してもらうと安心です。
まとめ・次にすること
- 片付けは「重要書類の確認→量の把握→仕分け→搬出→清掃」の順番で進めます
- 荷物が多い・遠方で通えない場合は、遺品整理業者への依頼が現実的です
- 仏壇・お墓は通常の家財とは別に、供養や親族間の合意を優先して進めてください
- 片付けが本当に必要か、先に不動産会社に確認する方法もあります